ペットと暮らす生活に憧れているという人も多いでしょう。しかし、ペットと快適に暮らしていくためには、ペットにとっても過ごしやすい住宅を建てなくてはなりません。
かわいい家族の一員も一緒に快適に暮らせる家はどのようにすれば作れるのでしょうか。
人間にとっては望ましいものも、ペットにとっては心地よくない・危険だ、ということがあります。
ペットに不快な思いをさせたり危険を感じさせたりしないために、飼い主が心がけなくてはいけない部分もあります。
そのためには、ペットが過ごしやすい家の間取りや設備について前もって把握しておく必要があるでしょう。
ペットと暮らすための間取りの工夫
ペットと一緒に暮らすための家を建てる際には、はじめに犬や猫といったペットそれぞれの習性を理解しておくことが重要です。まずは、犬・猫でそれぞれの特徴をまとめてみます。犬の特徴とポイント 五つ
- 運動(お散歩など)が大好き。なるべくなら思いっきり走り回ることができるような間取りを検討しましょう。
- 外を眺めるのが好き。窓から外を眺める犬をよくみかけませんか。賢い犬はご主人の帰宅をずっと外を眺めて待っているとかも。そのため外を眺めることのできる窓をつくってあげることが望ましいでしょう。
- 壁に寄りかかり寝るのも好き。そのため寝床は狭い空間で寄りかかれるような壁があるとリラックスできるようです。
- 一人ぼっちは大嫌い。家族が集まるリビングなどに、くつろぎのスペースを作ってあげるのがポイント
- 暑いのが苦手。犬は体温調節が苦手です。体の熱を冷ませるようなスぺースがあると喜びます。
猫の特徴とポイント 四つ
- 立体的で高い場所が好き。キャットウォークを作ってあげるのが理想的。木造住宅であれば梁などを現わすだけで、それがキャットウィークの役目を果たしてくれます。
- 日向ぼっこのスペースもつくってあげるといいでしょう。日向ぼっこが好きな理由は2つあります。体温調節とノミやダニなどの害虫駆除のためだそうです。
- 狭い場所が大好き。秘密基地のような空間を家の中に作ることもおすすめ。
- ペットドアや爪とぎ柱の設置は必須。しっかり躾けることで、その柱以外では爪とぎをしなくなります。またテリトリーを見まわる習性があるので、自由に歩きまわることができるように猫専用のペットドアも便利です。
犬の場合の間取りの工夫
ペットを飼っているご家庭でも、とくに犬を飼っているということが多いのではないでしょうか。 犬を飼う場合は、適度に運動をさせてあげなければなりません。そのためには外へ出ていく必要があるといえます。 散歩から帰ってきたとき足を洗うための蛇口を、ペットの出入口となりそうな玄関ないしはリビングの窓、勝手口のいずれかのそばに設けておけば慌てなくて済みます。 お散歩や庭で遊ばせた後、そこで足を洗えればとても便利でしょう。 施工実例 玄関の近くに足を洗える蛇口(シャワー付き)を設置しました。猫の場合の間取りの工夫
猫の行動範囲は半径500メートル以内だといわれています。この500メートルの範囲内で、飼い猫であっても他の猫や人と接触することもあります。 他の猫から病気を移されたり、人にいたずらをされたりすることもあるかもしれません。 猫は縦横の立体的な動きを好みます。いわゆる「キャットタワー」を設置する、家の中もどこかしらに縦横の移動ができる部分を作るなどの工夫が必要です。 段違いの棚を作りつける方法はとても有効です。 また、吹き抜け上部の窓際などに猫が自由にお散歩できるキャットウォークを作ってみるのもよいでしょう。 キャットウォークはさほど幅が必要ではありませんので、家の中のあちらこちらに作ってみると猫も屋内の暮らしを楽しめるはずです。 施工実例 窓にはひなたぼっこや外を見ることが出来るが出来るカウンターを取付け、クローゼットの横には猫ちゃんのトイレを置くスペースと中段には寝る場所を設けました。ペットと暮らす家には、安全のための工夫も必要
ペットと生活をともにしていると、様々な危険が想定できます。 玄関のドアを開けたらペットが出て行ってしまう、料理をしているのにペットがキッチンに入ってきてまとわりついてくるなど、いくらでも危険の可能性をあげることができるでしょう。 日常生活では、どうしたらペットがドアを開けても出ていかないのか、どうすれば料理をしているときにキッチンに入って来ないかということを、家族みんなで目を離すことなく、また部屋にも工夫をするべきだといえます。階段はゆるやかな傾斜で段差も低めに
ペットの身体に負担をかけないためにも、一緒に生活をする住宅では、階段を緩やかに設置するといいでしょう。 ペットは飛び降りることもありますので、段差が高かったり、傾斜が急な場合は足腰に負担がかかります。 ペットたちのやわらかい肉球にも負担がかからず、飛び降りたときの足腰への衝撃も最小限におさえることができるのです。 段数が増えてしまうことを懸念されるかもしれませんが、安全を考えるとペットばかりでなく、人間にとっても大きなメリットがあることです。 例えば、妊娠中であったり、高齢になって足腰が思うように動かなくなったときであったりしても、階段が緩やかなほうが、上り下りがしやすいですし、より安全にもなります。ペットフェンスの設置
玄関やキッチンなど、「飛び出るのが困る」「ペットには危険な食材がある」「刃物や火気に触れるのが怖い」という場合は、ペットフェンスを設置し、ここは出入り禁止であることをわかるようにします。 特に階段の往来で腰を痛めがちな犬の場合、さらに階段入り口部分にもペットフェンスをつけるのもよいでしょう。設備面でできる工夫は?
間取りだけではなく、設備についてもペットのために工夫できることはあります。 床材はなるべくコルク材やペット専用の床材などのペットが滑りにくいものを選ぶようにしましょう。ペット用のコーティングを施すのも効果的ですが、とにかくペットが滑ってケガをしてしまわないように工夫する必要があります。 犬や猫の肉球はとても柔らかいので、階段の段差が大きいと飛び降りた拍子にケガをしてしまう恐れがあります。そこで、段差が緩やかな階段を設置すればペットも安心して階段を利用できるようになるでしょう。 ペットを残して外出するという人は必ずいますが、その場合は必然的に部屋を閉め切ることになります。 特に犬は寒さには強いですが、暑さには弱い生き物です。夏場は熱中症で死亡していまうケースもあります。そこで有効なのが、全館空調です。 全館空調で建築された家は、高気密高断熱住宅で全部屋が一定の温度に設定できます。少し建築コストは上がりますが、ペットも人間も快適に過ごせます。全館空調は良いの?全館空調のメリット・デメリット!