ローコスト住宅とは、
通常の注文住宅に比べて安価に建築できる住宅のことです。
ローコスト住宅は「限られた予算内でどうにか戸建を建てたい!」と言ったニーズにぴったりな商品と言えるでしょう。
ローコスト住宅を検討しているけれど、「本当に予算内で建てられるのか」や「本当にベストな選択なのだろうか」と不安に感じている方。
「安かろう悪かろう」で後悔したくないという方。
注文住宅を建てた後の後悔は、価格帯にかかわらず発生します。
ローコストな注文住宅を建てるなら、予算内でとことん理想の家づくりが実現するよう、ぜひ楽しみながら計画を進めてください。
ローコスト住宅とは?
ローコスト住宅とは、
一般的な住宅に比べて建築コストを抑えた住宅のことを指します。
単純なイメージでは安い住宅となりますが、実際には単に安いだけという事ではないかと思います。
ローコストという言葉だけでいうとどちらかと言えばネガティブなイメージになるかもしれませんが、
無駄なコストを省いて優先したい部分にコストをかける住宅と言えます。
- 予算はあまり多くは取れないけれど、土地があるから家を建てたい
- 分譲住宅や中古住宅ではなく、やはり注文住宅でマイホームが欲しい
- コンパクトな(もしくはシンプルな)家を建てたい(建て替えたい)
といった方々から人気を集めています。
ローコスト住宅は、予算の限られたなかで家を建てたい方にぴったりな住宅と言えます。
ローコスト住宅の建築費はどれくらい?
明確な定義があるわけではありませんが、
一般的には建物の建築坪単価が40万円程度、もしくは工事費の総額が2,000万円までの住宅をローコスト住宅と呼ぶことが多いようです。
家を建てよう!と思った方なら、一度は耳にする「坪単価」という言葉。そもそも、坪単価とは何なのでしょうか。
坪単価とは、建物の本体価格を延床面積(建物の合計床面積)で割った数値のことです。1坪はおよそ3.3㎡なので、不動産図面を見る際の参考にしてください。
建物の本体価格 ÷延床面積(建物の合計床面積)=坪単価
通常の住宅を建築する坪単価は、50~60万ぐらいですが、それに比べてローコスト住宅の坪単価は30~50万と費用が抑えることができます。
坪単価30万だとしたら、ローコスト住宅は実際にいくらで建てられるのでしょうか。
坪単価30万と60万で家を建てた場合の、建物の価格を表にしてみましたので、参考にしてみてください。
坪単価30万で計算
坪数 |
坪単価30万円 |
20坪 |
600万円 |
25坪 |
750万円 |
30坪 |
900万円 |
35坪 |
1050万円 |
40坪 |
1200万円 |
45坪 |
1350万円 |
坪単価60万で計算
坪数 |
坪単価60万円 |
20坪 |
1200万円 |
25坪 |
1500万円 |
30坪 |
1800万円 |
35坪 |
2100万円 |
40坪 |
2400万円 |
45坪 |
2700万円 |
坪単価を安くするのは簡単です。本体価格を安く見せて、延床面積を大きくすれば、坪単価は安く見えます。
浜松でローコストな住宅を建てるには?
なぜローコストな住宅は低価格で建てることができるのでしょうか。
その答えは、
粗利です。
粗利とは、建物の総額から原価を差し引いた金額で、利益と経費をすべて合計したものを指します。
広告宣伝費や人件費、研究開発費など、経費の多いハウスメーカーほど1棟あたりの粗利率は高くなります。
浜松で建築可能なローコスト大手ハウスメーカー
- レオハウス
- アキュラホーム
- タマホーム
- アイフルホーム
- クレバリーホーム
- ユニバーサルホーム
- アエラホーム
- アイダ設計
上記のローコスト系大手ハウスメーカーにも展示場やテレビCMが流れています。その費用もどこかに乗っているのです。
間取り、デザインをシンプルに
建築費の大部分を占めるのは、建物の構造に関わる部分です。
建物の形状をできるだけシンプルにすることで建築コストは大幅にカットできることが少なくありません。
建物を四角い箱のような家にするとコストダウンできるということは、ご存じの方も多いかもしれません。
なぜ、四角い家だと建築コストが下がるのでしょうか。
四角い家と凹凸のある家を比較してみると、同じ床面積でも凹凸のある家のほうが壁面の量が多くなります。
つまり、単純に使用材料の数量が増えるのです。
凹凸が多いほどコーナーの部材が増え、材料のロスも出やすくなり、細かい作業も多くなります。そのため、材料費や手間代が余計にかかるのです。
同様に、同じような床面積でも2階建てに比べると平屋は割高になると言われています。
2階建ての家に比べて、平屋の家は基礎や屋根の面積が大きくなってしまうのがコストアップの原因です。
そこで、平屋の場合は階段や廊下のようなデッドスペースを極力減らし、家全体の面積を抑えることで金額を調整します。
四角い総二階の家が最もコストを抑えられるというのは、上記のような理由によるものなのです。
規格、標準仕様を大切にする
ローコスト住宅は、グレードや仕様を統一することで合理化を図っているとお伝えしました。
つまり、「規格」や「標準仕様」なしではローコスト住宅は成立しません。
同じ材料を大量発注することで安価に仕入れられるということは、普段使わない材料を仕入れる場合は割高になってしまうということでもあります。
内外装材や設備を標準以外のものに変更すると建築コストは一気に上がり、最終的にはローコストどころか一般的な住宅よりも高い家になってしまうということが起こりうるのです。
また、いくら大きな窓が欲しいと思っても、規格外のサイズではオーダーメイドになってしまいます。
網戸やカーテンも特注になり、その分コストが上がります。
建材はできるだけ規格内に納めたほうがよいでしょう。
造り付けの家具は木工での造作ではなく、建材を使った家具のほうがコストを抑えることができます。
また、ローコスト住宅の場合、
性能面でも規格が設けられていることが多いです。
最近では高性能を売りにしたローコスト住宅も増えていますし、一般的な性能であっても法律で定められた範囲は当然クリアしています。
ローコストだからといって不安を感じる必要はないでしょう。
建物はコンパクトにする
ローコストの基本は、面積を小さくすることです。
坪単価が40万円とすると、3坪小さくすれば単純計算で120万円のコストダウンになります。
3坪というとだいたい畳6枚分。
6畳間を減らすのは難しいかもしれませんが、部屋ごとの面積を少しずつ小さくし、デッドスペースをなくすことで、狭さを感じさせることなくコンパクトにまとめることは十分可能です。
間仕切り壁をできるだけ少なくしたシンプルな間取りにする。
構造や仕上げ、建具にかかるコストをカットできるだけでなく、機能的で使い勝手のよい動線に仕上がるというメリットもあります。
人の動線だけでなく、
配管の動線をコンパクトにまとめることもコストダウンにつながります。
例えば、トイレや浴室、洗面、キッチンなどの水まわりは一カ所にまとめて集約することで配管が短くなり、工事の手間も少なくなります。
同様に、水まわりを敷地内のできるだけ道路に近い位置に配置することで、屋外の給排水工事にかかる費用もカットできるでしょう。
M様邸 図面及び見積書
現在、当社で建築しているお客様の図面及びお見積りのご紹介をいたします。
ご予算は総額2,500万円との事をお聞きしていました。
平面図
1階にはLDKとリビングからの続きで和室(客間)が欲しいとの事で、3本の引戸を開ける事によりLDK+和室で25帖のスペースを確保しました。
寝室6.5帖とトイレを少し広めに、一番東側には納戸を設置、収納は各部屋に1つ以上を取りました。
2階は洋室2部屋と納戸を取り、収納には困らないように設計させて頂きました。
立面図
ベランダには屋根をかけて、少しの雨でも洗濯物が濡れないようにしてあります。
総2階は好かないとの事でしたので、1階を広く2階は少し狭くしました。
配置図
見積書
建築総額2,500万円とお聞きしていましたので、建物総額2,000万円でのご提案をさせて頂き、照明器具約30万円、カーテン約20万円、外構工事約270万円で新築工事総合計金額は2,320万円となりました。
あと残り180万円は、地盤改良工事があった場合80万円の予備費を取っておいたものです。その他100万円はエアコンや家具が欲しい時のための予備費としてあります。
実際には地盤が良くて改良工事はしませんでした。
多分、2,400万円でおさまったと思われます。
後悔しないための注意点
ローコストの注文住宅を建てる上で注意しなければならないのは、
契約後の追加工事による予算オーバーです。
「費用を抑えるためにローコストメーカーを選んだのに、数十万円単位で追加が出てきて、気付いたら一般的な住宅と同じような金額になっていた」
ローコスト住宅を建てた方の中には、こんな理由で後悔している方も少なくありません。
複数社の見積りを比較する
注文住宅の建築コストというのは大変わかりづらく、出てきた金額が適正かどうかを判断するためには、数社の見積書を比較検討する必要があります。
大切なのは、希望を伝えてその条件を満たすプランを提案してもらうのではなく、希望と予算を伝え、できるだけ希望をかなえた上で予算内に収まるプランを提案してもらうことです。
同じ予算で面積が小さめのプランを提示してきたハウスメーカーは、価格帯が比較的高めであることがわかります。
しかし、その分他社に比べて構造やデザイン、性能面などで優れている可能性もありますから、提案内容と金額をしっかり見比べて判断してください。
他社と比べて極端に金額の安いハウスメーカーは、避けたほうがよいでしょう。
安すぎるプランでは下請け会社を買いたたいている可能性がありますから、品質への悪影響も考えられます。
ローコスト住宅として平均的な価格帯のハウスメーカーを選択することをおすすめします。
また、注文住宅は分譲住宅を購入する場合と違い、何度も打ち合わせを重ねることになります。
休日ごとの打ち合わせでご家族に負担がかからないよう、一度に提案を受けるのは3~4社程度にとどめておくとよいでしょう。
内容や仕様をチェック
プランの内訳をすべてチェックするのは難しいですが、
建材や設備のグレードは、カタログまたはショールームで確認することができます。
ローコスト住宅の場合、グレードが低めに設定されていることが多いため、
あとからグレードアップして追加費用が発生する場合が少なくありません。
グレードアップするとしても早い段階でわかっていれば、他の部分でコストダウンして調整するか、予算を見直すことも可能です。
次に、「
プラン内容に含まれていない項目」を確認します。
例えば、図面に外構や家具が描かれていても、それらはあくまでも参考イメージで提案内容には含まれていない場合があります。
あとからオプションとして追加し、余計な費用が発生することのないよう、最低限「外構」「家具」「冷暖房空調設備」「照明器具」「カーテン」が含まれているかどうか見ておきます。
これら以外にも実際に住むとなった時にほかに必要な工事がないかどうか、担当者に確認してください。
プランの書類の表記に関して「一式見積もり」は一般的に信頼性が低いと言われていますが、ローコスト注文住宅の場合、必ずしもそうとは言い切れません。
費用を細かく積み上げていくと、工事費の総額は大きくなります。
そのため、ローコストメーカーは「この金額でお願いします」と毎回一定の金額で下請け会社に発注します。
合理化された仕組みの上で継続発注が可能だからこそ、「一式見積もり」というシステムが成り立つのです。
予算は余裕を持って
提案内容と金額を比較し、ようやく1社に絞って契約を結んだとしても、絶対に予算オーバーしないとは限りません。
契約して着工し、工事が進んでいくのを見ているうちに、どうしても「ここをもっとこうしたい」という希望が出てくるかもしれないからです。
むしろ、
全く追加費用が発生しないまま竣工することのほうが珍しいと思っておきましょう。
解決策としては、予算を決める際に少し余力を残しておくことです。
総工費の2割程度を予算取りしておくと、万が一の追加費用にも対処できるでしょう。
現時点でどれだけ追加費用が発生しているか一目でわかるような
増減リストを担当者に作ってもらい、追加工事が増えすぎないよう歯止めをかけておくことをおすすめします。
まとめ
せっかくコストを重視して住宅を作るなら、できるだけ費用を抑えて建築をしたいというのが理想です。
グレードを落とす事でコストダウンする方法ももちろんありますが、
間取りや外観に気を配ったり、補助金等の申請をしっかりする事で費用を抑えることもできます。
「安かろう悪かろう」というのは昔の話で、
今や「ローコスト住宅」は注文住宅の1つのジャンルとして確立されています。
とにかく安くマイホームを手に入れたいというのであれば、建て売りの分譲住宅や中古住宅を購入するという選択肢もあるでしょう。
しかし、ローコストであるか否かに関係なく、注文住宅を建てたいと希望されている方は多いのではないでしょうか。
注文住宅であれば、建築中の現場を確認できるという安心感もあります。
どうすればコストダウンできるのか、ムダな費用をかけずに済むのかしっかりと頭に入れた上で、
ぜひ信頼できるハウスメーカーを選び、理想のローコスト住宅建築を実現してください。