建築で一番大切なのはご家族がどのような家を求めているかです。
まずはご家族の家への価値観の構築が最初にあるべきです。
例えば、オール天然素材を求めるならハウスメーカーでは困難になります。
逆に免震や高気密高断熱を求めるなら大工さんでは役不足です。
つまりお客様の求める家によって必要な業者は変わります。キッチンなど住設はよほど特殊な物でない限り融通が効きます。
その段階でたくさんの物件を見て回り勉強される事はいい事です。お客様の家への価値観の構築が出来てませんと、業者選定をはじめすべての選択にブレが生じます。
ハウスメーカーか?大工か?本来、両極端な業者です。
ある程度の価値観が固まっていれば、そこは迷われないと思います。
ご参考になれば幸いです。
浜松の大工さんで建てる方には?
大工とは、木工技術等を駆使して建造物を建てたり、修理したりする技術者の事です。
実際の作業内容は力仕事だけでなく、繊細な感覚や、図面を正確に読み取り計画通りに進められる能力、他の業者とのコミュニケーション等、必要な能力は多いです。
また、危険な作業も多い為、常に怪我や事故と隣り合わせの仕事でもあり、集中力が要求されます。
最初は工務店等に雇われるのが一般的です。他の業者のマネジメント等は行わず、あくまで自分の仕事に専念する職人です。
大工さんの坪単価
一般の大工さんに建築をお願いする時には殆どが坪単価ではありません。
大工さんでは、大手住宅会社の坪単価の坪単価計算では建築費が出せないからです。
住宅の間取りが決まって、それに従い基礎工事費、木材費、建材費、給排水工事費、電気工事費等の見積りを取ります。
あとは大工さんが何日間で頼まれた住宅の建築が出来るか?と言う計算をします。ですから一概に坪単価いくらとは言えないのです。
ただ今までの経験上、ここら辺りで建築出来るかな?と言う話はしてくれると思います。
使用する材料や設備にもよりますが、坪単価計算いたしますとおおよそ50万円~80万円の坪単価になると思います。
家の構造、柱や梁の組み方、見せ方、地域材にこだわりがあるなら、大工・地元工務店がおすすめ
家の構造、柱や梁の組み方、見せ方、地域材をどう活かすかにこだわりがあるなら、地元の大工・地元工務店という選択肢を重視していいのではないでしょうか。
地元材の仕入れ先になじみがあり、昔からの在来工法を知る人が多いからです。
ハウスメーカーさんの場合、たとえば『国産ヒノキ』を付加価値のある商品として扱う場合もあります。
ですが、地元大工さん、地元工務店さんはそれを付加価値として扱うことはあまりしません。
それが杉であろうとヒノキであろうと、原価こそ違いますが、近くにある手に入りやすい材(地域材)を使うことは当たり前です。
そこに付加価値としてわざわざアピールすることはあまりないようです。
もちろん大工さん、地元工務店でも米松、米杉、集成材を使うことも多いです。
もちろんヒノキは杉より2〜5割程度原価が高いので、仕入れ値はどうしても高くなります。
地元大工・地元工務店が地元材を使う事が多い。
地域材を家づくりに取り入れたいなら、昨今の林業事情・建築事情を知っておけば、イメージ通りに家を建てられる可能性が高まると思います。
というのは、昔ですと、国産ヒノキの価格は高騰し、外材は安かったので、家の建築は外材が多かったですが、今は状況が違います。
とくに家の骨となる木材については国内の事情はここ20年で大きく変わりました。
昭和54年あたりと比べると、ヒノキの価格が1/4ほどになっています。
昭和後半から1年ごとに国産材の単価は下がり続け、国産の杉やヒノキは外材と単価的にはそれほど変わらない状況になりました。
大工さんの役割と仕事
大工さんとして修行を積み、一人前になった後は、主に下記の3通りに分類されます。
- 自ら工務店を起業し、元請けあるいは住宅会社の下請けの立場で家づくりを行う
- 大工の親方(棟梁)として、弟子の大工を育てつつ、工務店より仕事を受ける
- フリーの大工さんとして、いろいろな住宅会社や大工の親方(棟梁)から仕事を受ける
自社で設計・施工で注文住宅を手がける工務店や、設計事務所案件の施工を得意としている工務店は、主に上記2の大工さんに木工事を依頼していることが多いと思います。
工務店の中には、大工さんを社員として雇用している場合もあります。
大工さんの質が、自社の仕事の質を決めるという判断であり、優秀な工務店は優秀な大工さんと協働していることが多いです。
大工さんの仕事も昔とは大きく異なっています。
昔は、街の中で大工さんが木を切ったり、カンナで削ったりする姿を現場や加工場なので目にする機会もあったと思います。
現代の家づくりの現場では、木材も工場であらかじめカットされた部材が搬入され、それを組み立てる仕事が中心になっています。
新築の木造住宅の場合、大工さんの仕事の範囲としては、基礎工事完了後に基礎の上に土台を敷き、柱・梁などの構造躯体を立ち上げる「上棟」から始まります。
その後に外壁の下地工事、外部建具の取り付け、断熱材の施工、内部の間仕切り、階段、床下地、壁下地、石膏ボード貼り、床のフローリング貼り、各種造作工事などです。
良い大工さんのとは?
注文住宅の現場においては、お客様のこだわりを表現すべく、特別な設計や詳細がなされています。
そうした現場では、やはり大工さんの技術、経験が肝になります。
良い大工さんの定義は、職人技の世界であり様々な評価軸があるので言葉にしにくいのが正直なところですが、あえてまとめると以下の3点の意識が高く実践している人だと私は思います。
仕事が丁寧で、現場が綺麗であること
良い大工さんの現場は、まず整理整頓が徹底されており、作業完了後の清掃もしっかり行われているので、現場が綺麗なことが多いです。
なぜかと言うと、正確で丁寧な仕事を効率よく行うためには、材料や工具を探す手間などを省き、仕事に集中できる環境をつくる必要があるからです。
また現場を綺麗にすることで安全性も高まり、怪我などの防止にもつながります。
大工さんの仕事の多くは、木材や建材を「タテにつけたり、ヨコにつけたりする」ことの連続です。
同じ現場で構造躯体から仕上げ工事前までの仕事をします。どこかの工程で仕事の精度を欠くと、精度を欠いた部分の帳尻を合わすようなかたちで次の工程の仕事が行われます。
完成したときには気づきにくのですが、経年変化としてはそのような箇所から顕在化することが多いのです。木工事の全ての工程を丁寧に行うことが、必須の仕事なのです。
優秀な大工さんは、特殊なデザインの階段の施工や、造作家具等の施工も対応することができます。
そうした部位を見るときに、端部の納まり(モノとモノがつながる部分)が、綺麗かつ正確に施工できる大工さんの存在は貴重です。
より良い仕事をするためにコミュニケーションを欠かさないこと
優秀な大工さんは、みんなまじめで実直で一生懸命な方が多いと感じます。
身体を動かして仕事をするのが大好きで、暑い中、寒い中でもなんとも思わずに楽しそうにやっています。
「いいものをつくろうと」という気持ちが伝わるような前向きな姿勢で施工をしています。
住宅の現場では、設計図だけでは理解しにくいこともあります。
大工さんが自分の判断で施工を進めるのではなく、施工を請けているお施主様と常にコミュニケーションをとります。
時には設計担当者も交えて設計の意図やお客様の要望を確認しつつ、大工としての知見を生かしながら適切な施工を行います。
家が完成すると見えなくなる部分にも、細心の注意と施工をしてくれること
大工さんと共に仕事を行う工務店の視点からみると、「大工の技量で家が決まる」と心の底から痛感していることを感じます。
木材を取り付ける作業ひとつにしても、「止まっていればいい」という姿勢なのか、釘1本1本に心をこめて丁寧に打つのかでは仕上がりが全然変わるからです。
できたての時には同じように見えても、手間を惜しみ丁寧な施工がなされていないと時間が経つと問題が出てきやすいことが、メンテナンスに行くと本当によくわかるからです。
経年変化がなるべく起こりにくい家をつくることで、お客様に確かな品質の住宅をご提供できていることにもつながります。
結果としてメンテナンスの負担が軽減されるわけですから、大工さんの力量を重視することになります。
大工さんに頼むメリット・デメリット
柱・梁などの見せ方を知っていること。
大工さんは、地元の製材所から材を仕入れている場合が多いため、できあがる家は柱や梁が太くきれいに見せるケースが多いのです。
大工さんのに頼むメリット
【メリット1】
安く済む場合があります。
大手ハウスメーカーの方が、年間建築件数が圧倒的に多いので、材料費(仕入れ値)は安くなりますが、多額の経費(広告費等)により、建築費自体は高くなります。
個人大工や工務店はそれ程、経費がありませんので、安くなることが多いです。
【メリット2】
柱・梁などの見せ方を知っていることで、こだわりの自分だけの家が建てられます。
本当に良い大工さんであれば、親身になって相談に乗ってくれます。あなたのアイディアと大工の腕と工夫次第では、日本一の家が建てれるかもしれません。
大工さんに頼むデメリット
【デメリット1】
腕の良い大工さんを探すのは大変です。
良い工務店を探すのも大変ですが、大工さんは工務店よりも地域が限定されるため、それ以上に探すのが大変です。
【デメリット2】
主要な設備等などは、家主確認を取りますが、細かい箇所や目に見えない部分等は勝手に決めている場合があります。
家は、目に見えない部分が非常に重要です。断熱性能や材種等級、外壁材等など、本当に重要な部分を手抜きされたらたまりません。
【デメリット3】
大工さんは昔からある古い技術には精通していても、新しい建築資材の流行などに敏感かどうかは人によるようです。
【デメリット4】
値引き交渉が下手。
給排水工事費、電気工事費、屋根工事費等の他業種の見積りを取りますが、ほとんどの大工さんは値引き交渉をしません。
まとめ
- マイホームの間取り等に強いこだわりがある
- 大工さんと家に対する考え方が合う
などの場合は、大工さんで建てると良い家を建てられる可能性が上がります。
特に自分が建てたい家=大工さんの建てたい家の場合、大工さんが親身になって相談にのってくれるので、自分にとって最高の家を建ててくれる可能性があります。
ただし、腕の良い大工さんを見つけるのは大変ですし、その中から自分と意見の合う大さんとなるとさらに見つかりません。
どれだけ時間が掛かっても良いから自分の納得がいく家を造りたい!と言う人には、大工さんはオススメです。
最終的に仕上げ材を貼ったり塗ったりすることで家は完成します。
大工さんの力量を目で見て判断することは難しいのですが、下地までの施工がきちんと行われていないと、住み始めてからの経年変化が現れやすくなります。
知り合いだと、金額や仕様に関して、意見しにくくありませんか?
結果的には、不満と莫大な借金(ローン)が残る場合があります。
万が一、不満が残った場合、クレームさえも言えない場合があります。
後悔しない為にも、ただ知り合いだからという理由で頼むのは絶対に止めましょう。